人気ブログランキング | 話題のタグを見る

父のともだち

母と娘(こ)の写真を飾ったまま、そのままずぅっと眺めているのもいいじゃないの。そんな思いもあって、立ち止まってちょっと息つぎをしていました。


父のともだち_e0108126_5441164.jpg


予約録音ラジオで、たかはしべんさんの次に録音したのは天野祐吉さんが学長の「隠居大学」。天野さんの飄々とした雰囲気が父に似ていて、とっても好きだ。
2月最後の月曜朝4時、お相手は有馬稲子さんだった。80になる叔母に似た、しゃきしゃきした語り口で、かつての撮影現場での話しなどが聴けて面白かった。ラジオから i-Podに移して通勤の行き帰りで聴いた。


父の通院(送り担当)の昨日、i-pod を持っていった。
こないだの隠居大学、聴いた?と尋ねると、父は案の定 「聴けなかったな…」 。昼食をすませて車に乗り込み、i-pod のイヤホンを耳に突っ込んで病院までの道々聞いていた。時々、「この人は党(共産党) から除名されたんだよな。」とか言っている。「へぇ、共産党に入ってたことあんの? そうか、お父さんが共産主義者だったみたいよね、治安維持法の頃だったから大変だったんですよと言ってたわ。」

病院に着くころ「終わったな。」ちょうど聴き終えた。

「感想はどう?」 と尋ねると 「もうそろそろ80になるんだろ。毎日歩いて運動してるんだって、やっぱり一線で活躍した女優はさすがだな。」 と言った。
「お父ちゃんも、これから暖かくなるから、歩いたりするといいね。ラジオ深夜便、いいものがあったら録音しておくよ。」


まだら惚けの進む母を相手に、まともな会話を望むことができなくなった父が、ラジオ深夜便という友だちを見つけたんだな。私は、深夜便の話し相手になれたことが嬉しかった。
先日、心臓のバイパス手術を終えた天皇と同じ手術を、父は69歳のときに受けた。当時、その年齢は開腹手術の限界といわれていた。あのときのバイパスは、もうドロドロに溶けてるな・・という。十年の命の保障を宣告されて今は「おまけの人生」と思っているからか、最近の車中は、「封印してきた過去」 をポツポツと話してくれる。還暦を迎えた娘になら話してもいいか、の思いがあるんだな、私でよければ話してよ。そんな年齢なんでしょうか、還暦って・・・。


父のともだち_e0108126_17322946.jpg

by hanako_mama | 2012-03-07 06:01 | 家族・健康


大きい声では言えないが, 小さな声では聞こえない


by ふうちゃん

最新の記事

ブログ引っ越しします
at 2020-01-21 16:36

カテゴリ

全体
私の好きなもの
家族・健康
なんちゃってシェフの料理集
「音楽」を楽しもう
中国語を楽しもう
ひとりごと
観戦 大好き
シェフの愛好(趣味)
その他
OBAKA体験記
花子

以前の記事

2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
more...

検索

フォロー中のブログ

その他のジャンル