梅雨の晴れ間に
これは私の自転車の鍵(=彼)である。
持ち主がそそっかしい為、彼はよく振り落とされる。これまでに二度、人様に救われた。
救助される場所はいつも特定されていて、団子屋そばの下水溝あたり・・・。
一度目はお店で唯一細腕のYoshikoさんが、いとも簡単に彼を拾い上げ 「ホラ ! 」。
昨日もあら~っと言っている間に溝の中に落ちてくれた。またもやSOS Yoshiko !
だが今回の溝サイズは前回のそれよりもヤヤ小さめである。「あら、入んないわ・・」。途方にくれる二人の横を通りかかったのが第二の救助隊員(Boss)である。涙ぐむ? 私を哀れと思ったのか、Bossは一言 「よし、俺が取ってやる!!」
隊員が事務所からビニール傘を持ってくる。傘の先端にはセロテープ。だが濡れている鍵はセロテープを拒絶した。鍵の材質は何かな?。マグネットで挑戦する。これも駄目。。
オロオロする私の目の前に次に現れたのは、赤い絶縁テープを貼り付けた傘であった。
「俺って、なぜか諦めたくないんだ、こういうのって・・・。」
力を込めて祈るように差し込んだ傘を、ゆっくり引き上げる。
Bossのその想いが通じたのか、彼(=鍵)は観念したかのようにうな垂れて地上に姿を現した。
私は素直に嬉しかった。
帰宅する道すがらつぶやいた。
おまえって幸せ者だね、二度も人様に救われてさ。
Bossにいっときの満悦感を味わってもらえたしさ。
梅雨の晴れ間、ささやかではあるが温かな贈り物を受けとった気分でペダルをこいでいた。
持ち主がそそっかしい為、彼はよく振り落とされる。これまでに二度、人様に救われた。
救助される場所はいつも特定されていて、団子屋そばの下水溝あたり・・・。
一度目はお店で唯一細腕のYoshikoさんが、いとも簡単に彼を拾い上げ 「ホラ ! 」。
昨日もあら~っと言っている間に溝の中に落ちてくれた。またもやSOS Yoshiko !
だが今回の溝サイズは前回のそれよりもヤヤ小さめである。「あら、入んないわ・・」。途方にくれる二人の横を通りかかったのが第二の救助隊員(Boss)である。涙ぐむ? 私を哀れと思ったのか、Bossは一言 「よし、俺が取ってやる!!」
隊員が事務所からビニール傘を持ってくる。傘の先端にはセロテープ。だが濡れている鍵はセロテープを拒絶した。鍵の材質は何かな?。マグネットで挑戦する。これも駄目。。
オロオロする私の目の前に次に現れたのは、赤い絶縁テープを貼り付けた傘であった。
「俺って、なぜか諦めたくないんだ、こういうのって・・・。」
力を込めて祈るように差し込んだ傘を、ゆっくり引き上げる。
Bossのその想いが通じたのか、彼(=鍵)は観念したかのようにうな垂れて地上に姿を現した。
私は素直に嬉しかった。
帰宅する道すがらつぶやいた。
おまえって幸せ者だね、二度も人様に救われてさ。
Bossにいっときの満悦感を味わってもらえたしさ。
梅雨の晴れ間、ささやかではあるが温かな贈り物を受けとった気分でペダルをこいでいた。
by hanako_mama
| 2008-06-26 11:08
| 私の好きなもの